香りが溢れるクリスマス♡~ヨーロッパに想いを馳せて~
間もなくクリスマス!町中がキラキラのイルミネーションで彩られて、にぎやかになってきましたね。今回はクリスマスにまつわるアロマをご紹介していきたいと思います。温かくて、ちょっぴりワクワクするようなアロマたちは、お部屋に彩りを添えてくれるでしょう。12月の休日は、クリスマスの香りに包まれて、ゆっくり過ごしましょう♡
2021年11月07日更新
記事の目次
[1]キリスト教とクリスマスにまつわる様々な香りたち
クリスマスはキリスト教の大切なイベント。11月の後半あたりから、みんなでイエス様の誕生日を祝うのを心待ちにしています。
普段離れて暮らす家族や親戚が集まり、一緒に過ごすことができる日としても大切にされていますよね。
そんな海外のクリスマスですが、実は香りが溢れる季節でもあります。その中には、現在もアロマテラピーや宗教的な儀式で用いられる香りがたくさんあります。
どんな香りが使われているのか見ていきましょう!
イエス様の誕生日にはたくさんの香料が贈られた
イエス様が生まれたのは、聖地エルサレムといわれています。この時、お祝いの印として大量の黄金と、香料が送られました。
当時香料は黄金と同じくらいの価値があったとされています。贈られた香料は、乳香と没薬。現代では、アロマテラピーでフランキンセンスとミルラとして親しまれています。
これらは、エルサレムのずっと南のアラビア半島南端付近で盛んに採取されていました。現在のオマーンには、“乳香の土地”という名で世界遺産にも登録された主要生産地があります。
また、アラビア半島を縦断する交易路は“香料の道”として、同じく世界遺産に登録されています。これらは紀元前2世紀ごろに発展していたといわれています。
つまりイエス様が誕生する200年も前から香料の取引が人々の交流を生んでいたということになります。イエス様の時代に、香料がどれほど重要な品々だったかが伺い知れます。
イエス様の最後の晩餐の後使われた香油
出典 allabout.co.jp/gm/gc/471947/
イエス様は親しいものの裏切りによりいわれのない罪を被ることになったのは有名ですよね。レオナルド・ダヴィンチが描いたとされる“最後の晩餐”もあまりにも有名です。
香りが登場するのはこの晩餐のあと。
所説ありますが、イエス様の足、そしてご遺体に香油を塗ったという記述があります。この香油はナルドの香油とよばれ、スパイクナードの精油という説があります。
スパイクナードは大変個性的な香りで、好き嫌いが分かれますが、不安や恐怖を和らげる作用があるといます。
アロマテラピーでは少量ずつブレンドして使用することがありますが、高価な精油なので使用頻度は比較的低いと思われます。
クリスマスツリーとクリスマスリース
クリスマスのシーズンにはモミの木や葉を使って、ツリーとリースを作るのが一般的ですよね。
形がいいのはもちろんなのですが、モミが使われるようになったのは一説によれば風邪予防の効果を期待していたからともいわれています。
植物は自らを守るために芳香成分を生成して、オーラのように纏っています。その成分が害虫や動物による攻撃を抑制しています。
その成分は総称でフィトンチッドと呼ばれていますが、モミの木が生成するフィトンチッドは人間の身体にも良い効果をもたらしてくれるといわれています。
αピネンや1.8シネオールといった成分に抗ウイルス作用や殺菌作用があるとされ、モミの木にはこの成分が多く含有されています。
昔の人の生きる知恵は、現代の医学にも通用するものなのですね。
[2]クリスマスマーケットで出会える香りたち
香りが溢れるクリスマスシーズン。欧米では、クリスマスマーケットという市場が11月後半から1月前半にかけて開催されます。
毎年この時期に開催されるクリスマスマーケットでは、美味しい料理やお菓子の香りはもちろん、ハーブやスパイスの香りも溢れるんですよ♡香り好きにはたまりません♡
いろいろなスパイスが入ったホットワイン
ヨーロッパではクリスマスのシーズンは、ホットワインを飲む習慣があります。
普通のワインに、シナモンやクローブ、オレンジやタイムなどを入れてお鍋で煮出して作るので、その温かさとスパイスの力で身体も心も芯から温まります。
ヨーロッパの人たちは、ワインの甘く芳醇な香りと、スパイスの刺激的な香りで、クリスマスシーズンの到来を感じるそうです。
ジンジャークッキー
子供の形のクッキーもクリスマスの定番!ジンジャーブレッドマンと呼ばれ親しまれています。
クッキー生地には、生姜やナツメグ、アニスといったスパイスが練りこまれており、独特の甘い香りを放ちます。
寒い季節の風邪予防として生姜を練りこんだという説が一般的で、ヨーロッパやアメリカで食べられています。
オレンジポマンダー
出典 european-style.net/xmas-decolation/
古くからクリスマスの魔除けとして、ツリーに飾られてきたオレンジポマンダー。オレンジの果実に、クローブやシナモンを刺し、リボンでくくります。
中世ヨーロッパで猛威を振るったペストは、香料商人は感染しなかったということから、お守りとして利用が広まったという説もあります。
オレンジとスパイスの香りが広がり、現代でも感染症の予防に使えそうですね。
ローストチキン
クリスマスのご馳走といえばやっぱりローストチキン!
ローズマリーやマジョラムを添えて焼き上げたチキンの香りを嗅げば、誰もが空腹になってしまいますよね。ハーブには肉の生臭さを消したり、消化を助けてくれる作用があると言われています。
医薬品が少なかった時代には、食事が健康の源でした。昔の人の知恵は本当にすごいですね。
[3]エッセンシャルオイルでつくるクリスマスの香り
それでは、実際にエッセンシャルオイルを用いて、クリスマスの香りを再現してみましょう。
上で紹介したエピソードに登場する香りたちを作っていきます。
今回はすべて芳香浴用のブレンドのため、身体に塗布したり、吸入法として使用したりしないようにしてください。
「オレンジ×スパイス」でキラキラわくわくのクリスマス
スパイスはクリスマスには欠かせない香料。昔は厳しい冬を乗り越えるために、スパイスは、欠かせないものでした。
今では、その効能のみならず香りも楽しむようになりました。そんなスパイスの香りは、刺激的でにぎやかなクリスマスにぴったり。
私はクリスマスシーズンになると、オレンジポマンダーをイメージしたブレンドを楽しみます。
温かく包み込みながらもきらめきを作ってくれるスイートオレンジと、クリスマス特有のワクワク感を演出してくれるスパイスたちのハーモニーが最高です。
●ブレンド
スイートオレンジ 5滴
ベルガモット 3滴
クローブ 1滴
シナモン 1滴~ブレンドのポイント~
スパイスは刺激が強いので、入れすぎないように注意しましょう。苦手な方はどちらか一つだけでも大丈夫ですよ♪
アロマストーンやアロマディフューザーに3滴ほど垂らして楽しみましょう。残った分は、小さい遮光瓶などに入れて保管すれば、クリスマスシーズン中いつでも使用することができるのでおすすめ。
「フランキンセンス×ミルラ」でクリスマスの原点に想いを馳せる
イエス様が誕生されたときに贈られた乳香と没薬。フランキンセンスとミルラの精油を使えば、当時に想いを馳せることができるかもしれません。
どちらも樹脂の精油なので、こちらも柑橘系の精油と合わせると明るい印象を演出できます。
また、フローラル系やスパイス系、樹木系とも相性が良いので、慣れてきたらいろいろなブレンドを楽しめますよ。
●ブレンド
フランキンセンス 4滴
ミルラ 1滴
タンジェリン 3滴
ベルガモット 1滴
ヒノキ 1滴~ブレンドのポイント~
フランキンセンスは樹脂でありながら爽やかな柑橘様の香りと表現されるほど、軽い印象を与えてくれます。一方ミルラは、漢方のような土臭さを感じるかもしれません。タンジェリンやベルガモットといった、柔軟性のある柑橘系の精油を合わせて調節してみてください。ヒノキはお好みで♪
「ファーニードル×ユーカリ」で北欧のクリスマスツリーをイメージ
北欧といえば、冬は雪と氷に閉ざされ、日本人の私達にはどこか幻想的でおとぎの世界を連想させてくれる国ですよね。
こちらのブレンドはそんな北欧の幻想的な冬をイメージしたブレンドです。
ファーニードルとは、モミの精油のことです。モミといえばクリスマスツリーの木ですよね。
このモミには、実は感染症予防の効果があるといわれており、クリスマスに家の中にツリーを飾る風習は、この風邪予防が始まりだったともいわれています。
実際、ファーニードルの精油には抗ウイルス作用などが認められており、アロマテラピーでも大活躍しています。
●ブレンド
ファーニードル 3滴
ユーカリ 3滴
ハッカ 1滴
ラバンジン 2滴
ホーリーフ 1滴~ブレンドのポイント~
ファーニードルはモミの木の針葉から抽出される精油です。少し特徴的な香りで、土臭さや木の幹の香りを感じる方もいるかもしれません。苦手な方は、少し種類は違いますが、和精油のトドマツなどでも良いと思います。ユーカリと合わせることで、抗ウイルス作用がさらに期待でき、嗅ぎやすさも格段にアップします。ハッカは日本のミントですが、モミが育つ北の大地の植物ということもあり、ブレンドすれば香りに透明感を出すことができます。ラバンジンやホーリーフは明るさをプラスしてくれるので、お好みでブレンドしてみてください。
「ジンジャー×シナモン」でホットなクリスマス
ジンジャークッキーに使われるジンジャーとシナモン。スパイス系のこれらの香りは、香りを嗅ぐだけで喉の奥が熱くなり、体の芯から温めることができます。
体を冷やさないことで風邪予防につながるし、食欲も沸いてきます。
●ブレンド
ジンジャー 2滴
シナモン 2滴
マンダリン 4滴
タンジェリン 2滴~ブレンドのポイント~
ジンジャーもシナモンも非常に強い香りなので、苦手な方は無理をして使用しないようにしてください。敵数もご自分の体調や気分で替えていただいて構いません。甘い柑橘系の精油と特に相性がいいので、マンダリンとタンジェリンを選んでみました。スイートオレンジやレモンなどとも相性が良いと思うので、ご自宅にある柑橘系の精油で試してみてもいいと思います。
[4]香りとともに過ごす聖なる夜
キリスト教では最も大切なイベント、クリスマス。今回はクリスマスを香りで楽しむ方法をご紹介しました。
イルミネーションやツリーを飾ったりするのも楽しいですが、今年はぜひ香りもプラスしてクリスマスのお祝いをしてみてください。
温かくて優しい香りでお部屋を演出すれば、特別感のあるクリスマスを過ごせることでしょう♡